ところがカムパネルラは、窓から外をのぞきながら、もうすっかり元気が直って、勢よく云ひました。「あゝしまった。ぼく、水筒を忘れてきた。スケッチ帳も忘れてきた。けれど構はない。もうぢき白鳥の停車場だから。ぼく、白鳥を見るなら、ほんたうにすきだ。川の遠くを飛んでゐたって、ぼくはきっと見える。」そして、カムパネルラは、円い板のやうになった地図を、しきりにぐるぐるまはして見てゐました。まったくその中に、白くあらはされた天の川の左の岸に沿って一条の鉄道線路が、南へ南へとたどって行くのでした。そしてその地図の立派なことは、夜のやうにまっ黒な盤の上に、一一の停車場や三角標、泉水や森が、青や橙や緑や、うつくしい光でちりばめられてありました。ジョバンニはなんだかその地図をどこかで見たやうにおもひました。「この地図はどこで買ったの。黒曜石でできてるねえ。」ジョバンニが云ひました。「銀河ステーションで、もらったんだ。君もらわなかったの。」「あゝ、ぼく銀河ステーションを通ったらうか。いまぼくたちの居るとこ、ここだらう。」ジョバンニは、白鳥と書いてある停車場のしるしの、すぐ北を指しました。
(宮澤賢治『銀河鉄道の夜』より)
黒曜石とは?
黒曜石(オブシディアン)は火山性溶岩の冷却する速さが、結晶の晶出よりも非常に急速である場合にできる天然のガラスです。普通は黒色でケイ酸に富み、割れると貝殻状の断口が鋭く、有史以前から道具や武器、仮面、鏡や宝飾品としての用途に供されてきました。黒曜石は鉱物の結晶というよりは、黒く光る宝石のように美しく、カムパネルラの持つ銀河の地図として、まさに適役と言えるでしょう。
色 | 茶、黒、青、緑、虹色、赤味がかった黒、銀、 金色がかった光沢 |
外観 | 光沢があり、不透明、ガラス様。大小様々な大きさ。 タンブル状の場合もある。 |
希少性 | 簡単に入手可能な色もあるが、希少なものもある。 青緑色のものは人造ガラスの場合がある。 |
産地 | メキシコ、世界各地。 |
クリスタルとしての「オブシディアン」
私の持っているオブシディアンは「マホガニーオブシディアン」と呼ばれる石です。マホガニーオブシディアンはブラックオブシディアンよりも穏やかなエネルギーを持ち、大地と共鳴することによって、グラウンディングと保護を行い、必要とするときには力を与え、目的を視覚化し、エネルギーの閉塞を取り除き、あらゆるレベルの成長を刺激します。安定化させる力を持つ石で、弱ったオーラを強化し、仙骨と太陽神経叢のチャクラの正しい回転を回復します。身につけると痛みを軽減し、血液循環を改善します。また、一般的にオブシディアンはネガティブなエネルギーの吸収に非常に効果があるため、このような目的で使用した場合は、その都度流水の下で石を浄化することが不可欠です。
グラウンディング瞑想
グラウンディングとは地に足がついた状態。自分のエネルギーと地球のエネルギーがしっかりとつながった状態を指します。グラウンディングが弱い状態とは、根のない樹木や土台のない建物のようなもので、周囲の影響を受けやすい状態と言えます。グラウンディングを意識的に強化する瞑想習慣を持つことで、自分自身のエネルギーを高い周波数に保つことができ、周りのネガティブな言動やエネルギーの影響を受けにくくなります。
①椅子に座り、両足の裏を地に着け、背筋を軽く伸ばして目を閉じます。手は組み、ゆっくりと深呼吸をします。尾てい骨(第1チャクラ)に意識を向けます。
②尾てい骨(第1チャクラ)にソフトボール大の光の球があり、その光の球から光のコード(グラウンディングコード)が地球の中心まで伸びていき、地球の核にしっかりとつなげると意図します。
③しっかりとグラウンディングコードがつながったと感じたら、内側にあるネガティブなエネルギー(痛み、滞り、緊張、ストレス、不安や怒りなどの重い感情、重い周波数など)が黒い煙となって、吐く息とともにグラウンディングコードを通して地球の中心に流れていくことを意図します。
④地球はネガティブなエネルギーを浄化して、グラウンディングコードを通じて真っ白な光に変換して還してくれます。この一連の流れを3回繰り返し、自身の身体が光で満たされているのを感じたら、ゆっくりと目を開けます。
*瞑想時にグラウンディングをサポートするクリスタルを椅子の下の床の上(グラウンディングコードの通過点)に置くことで、グラウンディングが簡単に深くできるのを助けてくれます。
【グラウンディングをサポートしてくれるクリスタル】 ・オブシディアン(黒曜石) ・スモーキークォーツ(煙水晶) ・ブラックトルマリン ・オニキス ・ヘマタイト ・モリオン(黒水晶)など