学名:Paeonia suffruticosa
英名:Peony
別名:富貴草、、富貴花、百花王、花王、花神、花中の王、百花の王、天香国色、 名取草、深見草、二十日草(廿日草)、忘れ草、鎧草、ぼうたん、ぼうたんぐさ、等々多数の別名がある。
原産地:中国
今年の牡丹は よい牡丹
🎼今年の牡丹は よい牡丹
お耳をからげて スッポンポン
もひとつおまけに スッポンポン♫
わらべうたに歌われたり、
立てば芍薬 座れば牡丹、 歩く姿は百合の花
女性の美しさを表す形容につかわれたり。
花も大きく華やかで抜群の存在感があります。
種からの栽培しかできなくて正に「高嶺の花」でしたが、戦後に芍薬を使用した接ぎ木が考案され、急速に普及しました。原種は樹高3メートルにもなるそうですが、接ぎ木で作られた園芸品種は1~1.5メートルくらいです。
今回訪ねた東松山ぼたん園は、埼玉県東松山市の花「牡丹」の普及活動の一環として整備された公園です。ゴールデンウィーク(4月中旬から5月上旬)のころには、約6,500株の見事な牡丹の花が咲き、多くの人でにぎわいます。通常は春4~6月が開花時期ですが、東松山ぼたん園では抑制栽培で冬に開花させたものを、新年に「新春ぼたん展」として無料で展示しています。
宮沢賢治「東京ノート」から、詩「神田の夜」
昔から、芸術家や作家の創作意欲を刺激した牡丹の花ですが、宮沢賢治の作品の中にもいくつか登場します。その作品の中から今回は、東京ノートと言われるノートに書かれていた詩、「神田の夜」を紹介します。
神田の夜 十二時過ぎれば稲びかり 労れた電車は結束をして 遠くの車庫に帰ってしまひ 雲の向ふであるひはるかな南の方で 口に巨きなラッパをあてた グッタペルカのライオンが ビールが四樽売れたと吠える ・・・・・・赤い牡丹の更沙染 冴え冴え燃えるネオン燈 雲にはるかな希望をのせて いまふくよかにねむる少年・・・・・・ 雲の向ふでまたけたたましくベルが鳴る ベルがはげしく鳴るけれども それも間もなくねむってしまひ 睡らないのは 重量菓子屋の裏二階 薄明 自動車運転手らの黄いろな巣 店ではつめたいガラスのなかで 残りの青く 澱んだ葛の餅もひかれば アスティルべの穂もさびしく枯れる x八乗マイナスY の八乗をぼくが分解したならばさ 残りが消えてxマイナスY が12になったので すぐ前の式から解いたらさ xはねえ、 顔の茶いろな子猫で差さぁ Yの方はさ、 Yの方はさ 自転車の前のラムプだとさぁ・・・ いなづまがさし 雨がきらきらひかってふれば ぺーヴメントも 道路工事の車もぬれる ・・・・・・そらは火照りの そらは火照りの (二十年後后の日本の智識階級は いったいどこにゐるのであらう) Are you all stop here? said the gray rat. I don't know. said Grip. Gray rat=is equal to Shuzo Takata Grip equal..... Grip なんかどうしてとてもぼくだけでない さうです夜は 水色の水が鉛管の中へつまってゐるのです ぼくとこの先生がさぁ 日本語のなかで英語を云ふときは カナで書くやうごくおだやかに発音するとさう云ってたよ 湯屋では何か アラビヤ風の巨きな魔法がされてゐて 夜中の湯気が行きどこもなく立ってゐる シャッツはみんな袖のせまいのだけなんだよう 日活館で田中がタクトをふってゐる (詩・宮沢賢治「東京」ノートより)
冬牡丹(抑制牡丹)と わらぼっち
この時期に咲いている牡丹は「冬牡丹(抑制牡丹)」や「寒牡丹」と呼ばれています。青々とした葉を携えているのが「冬牡丹」、花だけなのが「寒牡丹」。「冬牡丹」は春に咲く牡丹を特別な温度管理(抑制栽培)により春と思わせて冬に咲かせたもの。「冬牡丹(抑制牡丹)」は春に咲く品種を人為的に冬に咲かせているので、寒さに弱く、わらぼっちなどで覆われています。藁を笠状に編んだものを「わらぼっち」などと呼んでいますが、本来は、脱穀が終わった稲わらを保存するためにまとめて積み上げたもののことを指し、牡丹などにかぶせているものは、その風景を庭に引用したものだそうです。